訪問診療とは
訪問診療とは、通院が難しい患者様のご自宅や施設に医師が定期的に訪問し、医療サービスを提供することです。これに対して、往診は患者様の要請に応じて医師が一時的に訪問し、必要な医療処置を行うものです。
当院では以下のような疾患で処置が必要ある場合に、往診対応致します。
擦過創(擦り傷)
切創(刃物などでできた切り傷)
挫創(ぶつけたことで皮膚が裂けた傷)
熱傷(やけど)
皮膚はく奪創(むくんだ皮膚が引っ張られることで生じた皮膚がずれて浮いた傷)
当院の訪問診療では、通院が困難な患者様や独居で家族の支援が得られにくい方などを対象に、他の医療機関と連携しながら、日常の健康管理、薬の処方、処置を行います。複雑な医療制度や介護資源の利用についても、専門家として患者様に最適な提案を行い、安心して生活できるようサポートします。また、当院は24時間365日の体制を整えており、急変時にも迅速に対応できるよう準備しています。
訪問診療の一環として、以下のような外来手術もご自宅で安全に実施します。
陥入爪(爪が食い込んで痛みを伴う状態。『フェノール法』大きすぎる巻いた爪を切って根元を薬品で処理します)
皮膚良性腫瘍(ほくろやおでき、『摘出術』腫瘍を切除してきれいに縫います)
皮膚悪性腫瘍(皮膚のがん、『摘出術』腫瘍を安全域をつけて切除します。『再建』見た目を整えるため周囲の皮膚をやりくりしてきずを目立たなくします)
これにより、患者様が安心してご自宅で療養生活を送ることができるよう努めています。
訪問診療のメリット
- 通院の負担軽減
- 継続的な医療管理
- 包括的なサポート
- ご家族の負担軽減
- 緊急時の迅速対応
通院の負担軽減
訪問診療は、通院が難しい方や体調の変化により外出が困難な方にとって、医療機関までの移動の負担を軽減します。患者様が自宅にいながら専門的な医療を受けられるため、通院にかかる体力や時間の節約にもつながります。
継続的な医療管理
訪問診療では、定期的な訪問によって患者様の健康状態を継続的に管理します。これにより、病状の変化を早期に発見し、適切な対応を行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。また、患者様やご家族と継続的にコミュニケーションをとることで、よりきめ細やかなケアを提供します。
包括的なサポート
訪問診療は、医療だけでなく介護や福祉のサポートも含めた包括的なケアを提供します。医療機関との連携や、訪問看護、介護サービスの利用支援など、患者様が自宅で快適に過ごせるように必要なサポートを一括して提供します。
ご家族の負担軽減
訪問診療は、患者様だけでなくご家族の負担軽減にも寄与します。医療機関への付き添いが不要になるだけでなく、医療スタッフが直接訪問することで、患者様の病状やケアの方法について直接アドバイスを受けることができるため、ご家族の不安や負担を軽減します。
緊急時の迅速対応
当院では24時間365日の対応体制を整えており、急な体調変化や緊急時にも迅速に対応可能です。これにより、患者様が自宅で安心して療養できる環境を提供し、緊急時の不安を最小限に抑えます。
対象となる患者様
以下のような患者様が、当院の訪問診療をご利用いただけます。
通院が難しい方
医院への通院が困難な方、ご家族が薬だけを取りに通院されている方、または認知症の症状がある方には、訪問によるサポートを提供します。
様々な障がいをお持ちの方
脳卒中(脳梗塞や脳出血)の後遺症で身体に障がいがある方、難病を抱えている方、または重度の障がいをお持ちの方には、適切なケアを行います。
医療処置が必要な方
褥瘡(床ずれ)の処置、留置カテーテルの交換・管理、経管栄養の管理、輸液(点滴や中心静脈栄養)のルート交換・管理、在宅酸素療法、気管切開(気管カニューレの交換)など、必要な医療処置を行います。
当院が可能な
訪問診療の内容
創傷ケアと生活支援
慢性創傷を抱える患者様の家庭での生活を支え、日常生活の質を向上させるための医療サポートを提供します。
服薬管理
他の医療機関での診察内容や処方された薬の情報を把握し、適切な服薬管理を行うことで、患者様の健康を総合的にサポートします。
健康相談と管理
健康診断の結果に基づくご相談や、その他の健康管理に関する質問にも対応し、患者様の健康を維持するためのアドバイスを提供します。
専門医の紹介
必要に応じて、専門医や他の医療機関への紹介を行い、患者様にとって最適な医療が受けられるようサポートします。
介護・福祉に関する相談
介護や保健、福祉に関するご質問やご相談にも対応し、患者様とご家族が利用できるサービスを最大限に活用できるよう支援します。
緊急時対応
夜間や休日などの緊急時にも対応可能な体制を整えており、患者様の急変に迅速に対応します。
診療費例
各種健康保険が適用され、入院や通院と同様の自己負担率が適用されます。また、当院では訪問診療にかかる交通費は、一切ご負担いただいておりません。
高齢者の場合、医療費負担の上限が設定されており、1割負担の方は約6,000円~18,000円、2割負担の方は18,000円、3割負担の方で約80,000円~260,000円(課税所得による)となります。複数回の往診や検査がある場合でも、1ヶ月あたりの自己負担額は上限内に収まることがほとんどです。
対象 | 自己負担割合 | 標準負担額 | 負担額上限 |
---|---|---|---|
高齢者 | 1割 | 約7,000円 | 18,000円 |
2割 | 約14,000円 | 18,000円 | |
3割 | 約20,000円 | 約80,000円~260,000円 (課税所得による)(注1) |
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一般 | 3割 | 約20,000円 | 高額医療費による返還(注2) |
- 公費負担を受けている患者様の場合、医療費は公費で賄われます。
- 院外処方となるため、薬剤費は別途かかります(通院時と同様です)。
- 介護保険利用者の方は、居宅療養管理指導料が別途発生します。
自費負担となる費用
- 予防接種(インフルエンザなど)
- 診断書や申請書等の文書作成費用
- 介護で使用する物品の一部
その他のご案内
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明細書について
当院は療担規則に則り明細書については無償で交付いたします。
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一般名での処方について
後発医薬品があるお薬については、患者様へご説明の上、商品名ではなく一般名(有効成分の名称)で処方する場合がございます。
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医療情報の活用について
当院は質の高い診療を実施するため、オンライン資格確認や電子処方箋のデータ等から取得する情報を活用して診療をおこなっています。
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オンライン診療について
一般社団法人日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤」等の関係学会が定める診療ガイドラインを参考に、情報通信機器(オンライン診療時のスマホ・パソコン等)を用いた診療の初診の場合には向精神薬を処方できません。
-
保険外負担の費用について
当院では、以下の項目について、利用回数に応じた実費の負担をお願いしています。
● オンライン診察における予約や受診等に係るシステム利用に要する費用及び電話やテレビ画像等の送受信に係る費用 一回につき 1,000円(税込) -
生活習慣病管理料
高血圧症、脂質異常症、糖尿病に関して、療養指導に同意した患者が対象です。28日以上の長期の投薬を行うことは対応可能です。
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医療DXの推進
当院では、保険証代わりにマイナンバーカードをご利用頂けます。詳しくはこちらのPDFをご覧ください。
紹介手順と
連携の方法
- ご相談
- 当院への連絡
- 診療情報の連携と検討
- スタッフの訪問と連携
- 支援の開始
ご相談
まずは、かかりつけ医にご相談ください。
入院中・入所中の方は、病院や施設の医師、ソーシャルワーカー、または医療福祉課にご相談ください。
※もちろん、当院へ直接ご連絡いただいても問題御座いません。当院への連絡
ケアマネージャーなどを通じて、当院にご連絡が入ります。
診療情報の連携と検討
ご相談を受けた後、通院されている病院から情報提供を受けてケアマネージャーや地域連携室と相談しながら、当院で支援が可能かどうか検討します。
スタッフの訪問と連携
必要に応じて、当院のスタッフがご自宅や病院・施設を訪問し、関係者と連携を取ります。
支援の開始
地域の医療資源を活用し、患者様が望むケアが受けられるよう支援を開始します。
よくあるご質問
- 訪問診療はどのように申し込めばよいですか?
- まずは、かかりつけ医にご相談ください。入院中・入所中の方は、病院や施設の医師、ソーシャルワーカー、または医療福祉課にご相談ください。もちろん、当院へ直接ご連絡いただいても問題御座いません。
- 訪問診療を受けたいが、治療費が心配です。
- 高額療養費制度をご利用いただける場合や、障がいや難病の指定がある場合、医療費が無料になることがあります。当院で詳細をお調べできますので、お気軽にお問い合わせください。
- 訪問診療を受けている途中で、他の医療機関の受診も可能ですか?
- もちろん、他の医療機関の受診も可能です。
- 家族が不在の場合でも訪問診療を受けられますか?
- 家族が不在でも独居でも診療可能です。
- どのエリアまで訪問診療が可能ですか?
- 詳しくはこちらのページをご覧ください。